毎週金曜に放送の「NICE FLIGHT!」というドラマで航空業界が内容になっていますね。Kis-My-Ft2の玉森裕太さんが主演しています。
そのドラマの第1話を見た人から、内容についていくつか質問されましたので、ここでもお答えしていきます。
若干ネタバレがあるかもしれませんので、ご注意ください。
あらすじ
主人公は副操縦士3年目の《ツイてるコーパイ》こと倉田粋(玉森裕太)です。
この回では、機長で喜多見七海(吉瀬美智子)が一緒に乗務しています。
コックピットに羽田上空でマイクロバーストが発生していることが告げられるも、羽田空港管制塔の航空管制官・渋谷真夢(中村アン)からの冷静かつ的確な管制に助けられ無事着陸。倉田が感謝を伝えるも、その言葉は途中で切られてしまいます。
その後開催された交流会で再会した倉田と渋谷。
倉田が無線で感謝を伝えたのに無線を切られてしまったことを伝えるも、「忙しい空港でそんなことするのは無駄」と渋谷に一蹴されます。
しばらくして、倉田が乗務する便に修学旅行生が搭乗しますが、またも悪天に見舞われ、羽田空港では渋谷が管制を担当しています。
はたして無事着陸できるのか…?
なにか管制に変化はあるのでしょうか…?
実際のフライトもあんな感じ?
ドラマを見て驚いたことは、管制官との話すフレーズみたいなのは私たちが使っているものとほぼ同じだったことです。
コックピットでの会話もあんな感じですし、再現度は高いなと思いました。
実際の管制官とのやりとりでは、もうちょっと省略しながら伝えたりするんですけど、ドラマだから分かりやすいように、正確な用語を使って話している感じに思いました。
機種は選べないの?
倉田はB767に乗務しています。
1話の中でB787を見ながら「B787はいいなあ」という場面がありました。
乗務する飛行機の種類はどのように決まるのでしょうか?
乗務機種は、会社のその時の計画、方針で決まります。
JALはB787, B777, B767, B737, A350などを保有し、ANAはB787, B777, B767, B737, A320, A380などを保有しています。
旅客機は機種ごとに免許が異なり、例えばB777の免許ではB767は乗務できません。
取得する免許は、その時の会社の方針で決まり、パイロットは選ぶことが出来ません。
優秀だから国際線に運航する機種に選ばれるということもありません。
また、機種毎に部署が分かれており、2つの飛行機の機種(例えばB767とB787)の免許を持っていても、その時に所属している部署の機種にしか乗務しません。
管制官とあんな感じで管制以外に話す?
渋谷(管制官)の助言で無事着陸をした倉田が、着陸後に管制官に長々と感謝を伝えますが、それを渋谷が遮って他の航空機と通信するシーンがありました。
実際の現場でそういうシーンはあるのでしょうか?
軽い挨拶や感謝を述べることはあります。
「Good morning」や「Good day」などは通信の初めと最後に頻繁に使われるのをききます。
また、管制官が他の飛行機を優先させるために、待機を指示した後、「Thank you for waiting」や「Thank you for your cooperation」などを言うことがあります。
また私たちパイロットからも、飛行中に積乱雲を避けた後に「Thank you」とか言うことはあります。
しかし、「管制の占有時間は短くする」のが基本ですので、ドラマのように日本語で長く喋るようなことがあれば、隣に座ってる機長から「はい?なにしてんの?」というような目で見られるのは間違いありません。
まとめ
今回は「NICE FLIGHT!」の1話をパイロットからの視点で解説しました。
この後も質問とかあればぜひ書き込みなどしてください。
ではまた次回の記事をお楽しみにしてください!