今回は「情報圏の飛行方法」についての記事です。
特殊なATCをするところなのに、要領がまとまっている文献が少ないですよね。
そのため、今回は管制圏と比較をしながらまとめていきます。
[文献 航空法96-2 施規202-4 AIM-J215]
情報圏とは
- 管制圏が指定されていない空港のうち、IFRによる離着陸が行える飛行場に指定。
- 一部の飛行場を除き、クラスEに分類される。
- 情報圏では、航空交通情報の提供に関する業務を行う機関(レディオ)に連絡し、聴取していなければならない。
管制圏と情報圏の違いをまとめると、以下の通りです。
<管制圏>管制官
提供業務:管制業務
<情報圏>情報官
提供業務
200m未満:飛行場アドバイザリー業務
200m以上:飛行場アドバイザリー業務&管制業務
情報圏で行われている飛行場アドバイザリー業務とは
- 飛行場に発着する航空機および飛行場の周辺を飛行する航空機に対して、飛行の安全かつ円滑な運航に必要な情報を提供する。
- 運航情報官は着陸や離陸の許可を発出することはできず、情報の提供や管制承認等の中継業務を行う。
つまり、運航情報官からの情報を参考に機長の責任の下に運航する場所ということです。
情報圏の飛行場へのATC要領
情報圏の飛行場への到着、出発のATC要領の一例を記載します。
また人によっても言い方が変わってきますので、これを100%真似するのではなく、自身でアレンジしてください。
例として、羽田空港↔福島空港のJAL175/JAL174の便名を使用します。
福島空港(レディオ空港)への到着
P(Pilot) C(管制官)
P:Fukushima Radio JAL175.
C:JAL175 Fukushima Radio, Go ahead.
P:JAL175 We have approach clearance. We will make RNAV RWY19 Approach via MEDET S Arrival, Estimate GINZA at 0424, We have 0400 WX.
C:JAL175 Roger. RWY19 temp31 wind 180/14 QNH2992 Report GINZA.
P:JAL175 Report GINZA.
P:JAL175 Over GINZA.
C:JAL175 RWY19 RWY is clear.
P:JAL175 RWY19 RWY is clear.
C:JAL175 taxi to spot.
福島空港(レディオ空港)からの出発
P:Fukushima Radio JAL174 with 0500 WX.
C:JAL174 Fukushima Radio, Go ahead.
P:JAL174 to RJTT FL300 SPOT1.
C:ATC clears JAL174 cleared to RJTT via Yamagata ○DEP then Flight Planed Route, Maintain FL300 SQ 2345.
P:ATC clears JAL174 cleared to RJTT via Yamagata ○DEP then Flight Planed Route, Maintain FL300 SQ 2345.
P:JAL174 Commence push back for RWY01.
C:JAL174 Report commence taxi.
P:JAL174 Commence taxi.
C:JAL174 Taxi down RWY19, Report when ready for departure.
P:JAL174 Ready for departure.
C:JAL174 RWY19 RWY is clear.
P:JAL174 RWY19 RWY is clear.
C:JAL174 Contact Tokyo control 〇〇〇.
レディオ空港でその他使われる用語
Hold on the GND(地上待機) →Release for DEP(出発制限の解除)
リモート空港についての変更
2021/10/1からリモート空港はすべてレディオ空港となりました。
そのため、「RWY is clear」で統一されます。
情報圏の飛行場は行く機会が多くないので、行くときは少し構えますが、
飛行の自由度が高いので私は好きです。
ボリュームが多くなってしまったので、今回省いたところはまた追記させていただきます。